色鉛筆の基本的な塗り方とは。描きたいイメージに近づけるコツを紹介

体験記

色鉛筆は、柔らかなタッチの絵が描ける画材として幅広い世代に人気があります。カラフルな色が揃っている色鉛筆を見ると、ワクワクしてくる方も多いのではないでしょうか。

今回は、色鉛筆の基本の塗り方と描きたいイメージに近づけるコツについて紹介します。

色鉛筆の基本的な塗り方とコツ

色鉛筆にはさまざまな塗り方があります。塗り方ひとつで、絵から伝わる印象が大きく変わるので、色々な塗り方の種類を身に付けることで表現の幅を広げられます。

ここでは、色鉛筆の基本的な塗り方をコツとあわせて紹介します。

【平塗り】ムラなく塗る方法

平塗りは、色鉛筆を寝かせて芯部分と紙が平行の状態になるように持ち、一定の筆圧で塗る方法です。

広範囲を塗るときに使われている塗り方で、色ムラなく均一に塗ることができます。平塗りで塗ると絵全体が柔らかい印象になるのです。

ほかの部分よりも濃くしたい部分は、重ね塗りをすれば濃淡を出せます。濃く表現したいときは、一度で濃く塗るのではなく、弱い筆圧で重ねて塗ることで濃さを出すのがポイントです。

【ハッチング/クロスハッチング】立体感を出す方法

ハッチングとクロスハッチングは、ただ塗るだけでなく、線を重ねることによって立体感を出す塗り方です。それぞれの方法について解説します。

ハッチング

ハッチングは、線を一定方向に引いて色を塗る方法です。同じ方向に向かって平行に引くのがハッチングのポイントです。ハッチングで、対象物に立体感を持たせたり、質感を表現したりすることも可能です。

人物の髪の毛や動物の毛などを描く場合は、ハッチングによって細かい部分まで再現できます。ハッチングはなるべく細い線を描くことがポイントなので、芯が硬めの色鉛筆がおすすめです。

クロスハッチング

クロスハッチングは、線を縦、横、斜めの方向にクロスさせながら塗る技法で、漫画を描くときにも使われます。漫画ではカケアミと呼ばれる方法なので、耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。

並行線を引く間隔を広くしたり狭くしたりすることで濃淡を表現します。また、濃くしたい部分はさらに塗り重ねて濃くすることも可能です。クロスハッチングは、ハッチングよりも繊細な濃淡を表現できます。

また、重ねる線の本数を増やして影の部分を表現したり、線を薄くしたり少なくしたりすることで光が当たる部分を表現できます。また、線をカーブして描けば、丸い物も立体的に描くことができます。

【混色】題材の色味に近づける方法

混色は、同じスペースに複数の色を使う塗り方です。単色で塗ると、のっぺりとした平面的な絵になってしまいがちですが、色を重ねると深みのある表現ができます。

例えば、オレンジ色に塗るときも、オレンジ色の単色だけで塗るよりも、赤色と黄色を重ねたほうがより鮮やかな印象を与えられます。

混色で塗るときは、塗る順番が重要となります。先に明るい色や薄い色を塗り、その上に濃い色や暗めの色を重ねるのが基本の塗り方です。

同じ筆圧で色を塗った場合、先に塗った色が強く表れます。濃い色を先に塗ると、薄い色が出にくくなってしまうため、塗る順番には注意が必要です。

【グラデーション】微妙な陰影を表現する方法

グラデーションは、段階的に色味や陰影を表現する方法です。筆圧の強弱や重ねる線の数などでグラデーションを表現できます。

グラデーションは、同系色の色鉛筆を使うのが一般的です。薄い色、中間、濃い色の順に塗り重ねて濃淡をつけます。青系のグラデーションなら、水色、青色、紺色を使うと良いでしょう。

色味を青から紫、赤から桃色へ変化させるような場合には色相環を参考に塗ってみてください。

各色が交わる部分は薄い色を使って隙間を埋めるように塗るのがポイントです。仕上げに全体を薄い色で塗ると、統一感を出せます。技術が必要な塗り方ですが、覚えると表現の幅が広がるのでぜひチャレンジしてみましょう。

塗り方と一緒に覚えておきたい色鉛筆の種類

色鉛筆には、油性色鉛筆と水彩色鉛筆の2種類があります。同じ色鉛筆でも特徴や仕上がり方が違うので注意が必要です。ここでは、油性色鉛筆と水彩色鉛筆の特徴と選び方を紹介します。

油性色鉛筆

油性色鉛筆の芯は、色を出すための顔料と、書き味のためのタルクやロウ、かためるためのノリなどでできています。油分が多いため、発色が鮮やかで艶があるのが特徴です。塗った色がそのまま仕上がりの色になるため、扱いやすい画材といえます。小学校の授業などでよく使うのが油性色鉛筆です。

芯は柔らかいものから硬いものまでさまざまです。水彩色鉛筆よりも低価格で色数を揃えやすく、初めて絵を描く方に向いています。

油性の色鉛筆は、絵の具のように完全に色を混ぜて思いのままの色を作りだすことはできませんが、違う色を塗り重ねることで、色鉛筆にしかできない独特の表現が可能です。

水彩色鉛筆

水彩色鉛筆は、顔料を水で溶ける材料で固めたタイプの色鉛筆で、水性色鉛筆と呼ばれることもあります。油性色鉛筆と同様にそのまま色を塗れますが、水を含んだ筆で伸ばすと水彩絵の具のようなタッチに仕上がるのが特徴です。

芯の硬さは硬質と軟質があります。硬質の場合は水で濡らしても線が消えずに残り、軟質の場合は水に溶けるので絵の具で塗ったような仕上がりになります。芯の硬さや水の有無で調整できるので、油性色鉛筆に比べて多彩なタッチを楽しめるのがメリットです。

色味は、水で溶いたときの色が仕上がりの色になるため、見たままの色にならないところには注意が必要となります。慣れないうちは、試し塗りをしながら塗っていくと良いでしょう。

色鉛筆の塗り方を学ぶのにおすすめのレッスン2選

色鉛筆にはさまざまな塗り方や種類があるので、非常に奥深いツールでもあります。ここでは、色鉛筆の塗り方を学べるレッスンを紹介します。

色の仕組みから学べるレッスン

色鉛筆の色の仕組みから学ぶなら「色の仕組みを学んで描く、はじめての色鉛筆画」がおすすめです。

色の知識を学び、ローズピンク、イエロー、ターコイズの3原色を使ってイラストを描く練習ができます。色鉛筆で絵を描く初心者の方にもぴったりです。

水彩色鉛筆の筆の動かし方や配色が学べるレッスン

水彩色鉛筆を使ったレッスンなら「水彩色鉛筆と水筆でたのしむ、いやしのブラシレタリング」がおすすめです。

水彩色鉛筆と水筆を使ってレタリングの練習をします。筆の使い方や美しく見える配色などが学べるので、手描きのカードを作るのが好きな方や筆の使い方を学びたい方にもおすすめです。

まとめ

色鉛筆には、平塗り、ハッチング、混色、グラデーションなどさまざまな塗り方があります。塗り方によって絵の質感やタッチ、印象が変わるので、目指す絵の雰囲気に合わせて使い分けるのがおすすめです。

筆圧や濃淡のつけ方によって表現の幅も広がりますので、ぜひオンラインレッスンで色鉛筆を使いこなし、作品を作ってみましょう。

よりリアルな色鉛筆画に興味のある方は、こちらの記事もご覧ください。

>>>「初めての方もできる!リアルな質感を出す色鉛筆の塗り方を紹介」

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